マシュマロを読んで 2/18

 

リアルよりインターネットの方が人と話すのって難しくないですか?バイト先の先輩が美味そうな弁当を食っていたら「美味そうな弁当ですね」と声をかけられるけど、フォロワーが美味そうなラーメンの写真をツイートしていても「美味そうなラーメンですね」とはリプライできない、美味そうなラーメンなのに……。でもリプライって要は手紙ですから、見ず知らずの人に文通を持ちかけるような行為は難しくて当然かもしれません。

しかしそのような過敏さゆえに未だインターネット上に友達と呼べるような人がほとんどおらず、加えてリアルでの友達すらも歳を重ねるごとにどこかへ連れ去られてしまっているので、日々やり場の無い感情を一人で抱えざるを得ない状態でおります。ときおり独り言のふりしてツイートをし、ブログを書き、いいねやリツイートみたいな二進数のコミュニケーションのみで他人と交流したつもりになっている。

そのような貧困に対してこのままじゃいかんと思い、ツイッターのプロフィール欄に設置したのが、匿名の投書窓口であるマシュマロというわけです。別に質問箱でもお題箱でも良かったんですけど、VTuberのオタクにとっては様式美みたいな感じありますよね、マシュマロは。嬉しいことにブログに対する感想が少しだけ届いていたので、読んでなんか言おうかな。読んでなんか言われると思ってなかったらすみません。

 

 

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嬉しいな〜。このマシュマロ貰ってから備忘録2020の記事読み返したら確かに静かな配信が多かったですね。自分の指向が再確認できました。

私はテレビのお笑い番組とかも好きでそれなりに見るんですけど、そういうのが好きだからこそ、VTuberにはテレビでは流せないような静かさとかラフさを求めているのかもしれません。民放バラエティさながらのお金かかってそうな公式番組よりもゲリラ雑談の方がグッと来たりするのはそういうことだと思います。

たしか力一さんが初期のファームで言っていたことですが、「テレビを目指すのが全てか?」みたいなことは私もよく思いますね。テレビ番組が「完成」でVの雑談は「愛おしい未完成」なのではなく、Vの雑談はもうそれでひとつの「完成」なんだと最近は思っています。

自分の感受性についてはクタクタだと思っていたから褒められてびっくりしました。君の名は観て泣かなかった件を一緒に観た人に責められて以来自信を失っていたのですが、君の名は観て泣くだけが感受性じゃないですね。むしろある種のフェティシズム的な、特化型の感受性の方が文章を書くのには良いのかもしれません。

 

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ポジティブなこと書いて良かった〜。そういうのってありますよね。私も部屋にポスター貼るくらい好きなミュージシャンのニューアルバムが微妙に好みから外れる音楽性になってウーンと唸ったことがあるんですが、似たようなものでしょうか。違うかな。

2Dから3Dってかなり大きい変化ですからね。手段がまるっきり変わるので、漫画がアニメになったり、アニメが実写映画になったり、それくらい大きな違いがあると思います。それだけの媒体変化があれば、やはりそれぞれ思うこともあるでしょう。刻一刻と変化していくことが魅力なVTuberだからこそですね。

あと話逸れますけど、最近全然ピエロの配信追えてないんですよね。理由としては「毎回密度がすごいから」なんですけど、流し見するには面白すぎるので腰を据えて観たい気持ちが「今じゃねえな」「今じゃねえな」と先送りにさせているという、私がエヴァ観てない理由と全く同じになってしまいました。でもアーカイブが溜まっているというのは楽しみが溜まっているということなので、それだけの幸福感もあり……。

 

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推しの数字とかを気にしちゃって、そこから自己嫌悪してしまうのありますよね……。コウもいつかの雑談で「推しがたくさんの数字を稼いでいるという事実によって自己肯定感を高めていく現象」について言及していたと思いますし、そういうのは結構普遍的な感情なんだと思います。消せない以上は抱えつつ、明るいところに目を向けるしかないんでしょうか。

Vみたいな相互干渉が楽しいコンテンツだからこそ距離感の悩みは尽きませんね。私は結果的にリプもコメントもほとんど送らないROM専みたいな状態になっていますが、かと思えば長いブログを書いたりするから、なんかそれって爆弾魔みたいだなと思ったりはします。

基本的には楽しいままに追っかけてるんですが、最初期に力一さんが言っていた「あんたらが一斉によだれを垂らしたらそれは豪雨なのよ」って言葉は常に心に留めていて、それだけは気をつけていると言えるかもしれません。皆がよだれを垂らしているときに垂らさない努力ですね。「逆張り」って揶揄されがちな言葉ですけど、自分らしくあるためには必要なことだと思います。

 

 

1訊かれて10答えるダメなコミュニケーションの例みたいになってるような気もしますけど、私が楽しいので今後も届いたならばこういう風に取り扱っていこうかな……。別にV関係ない雑談をふっかけていただいても、質問でも意見でも感想でもなんでも良いので、とにかく誰かと交流しているという実感のために、何卒よろしくお願いします。

 

委員長がリアルを愛しているから

 

2月に入ってから「雲隠れ」していた委員長、その理由は「にじさんじのことを考えない日を作りたくなったから」でした。しかしその声にあまりネガティヴな色は無く……。

かねてよりつけていた「やりたいことリスト」のデータが飛んでしまい、また一から列挙を始めた委員長は、そのラインナップがその気になれば今すぐにでも出来ることばかりだと気づき、新しいことに挑戦しなくなっていた自分に「ちょっとヤバいな」と思った……というのがお休みに至る流れで、ニュアンスとしては宇多田ヒカルの「人間活動に専念」に近い感じでしょうか。

いま書き起こしてて思いましたけど、こんなにはっきりと思考の流れを言ってくれるの凄いですね。「茶番で全てを煙に巻くのも考えたよ!」とも言っていましたが、それをやめただけの意志と意味があるように感じます。

 

この配信で驚いたのは「月ノ美兎じゃなかった時間について月ノ美兎が話していた」ことです。雑談のネタを作るでもなく懐かしい友達と会って、行きたい場所に行って、食べたいものを食べる。意識的に月ノ美兎から離れて過ごしていた時間があったことを月ノ美兎が話す。「ふつうの女の子に戻ります」と言って辞めるのではなくて、ふつうの女の子に戻ったり戻らなかったりする。

このような吐露を受けると、委員長が1stシングルのカップリングにセラニポージ『ありふれた毎日の歌』のカバーを選んだ、という事実が今まで以上に響いてきます。

曲の主人公は、大きなお城の中で目覚めて、庭で野バラを摘んで、ドレスを着て、夜には眠るお姫様。「バーチャルYouTuberを始めてからずっと同じ家にいるんですよ」「場所性に囚われないバーチャルYouTuber、なんと一番場所性に囚われてるという……

お城の門番はなぞなぞを出して「答えを当てたらここを開けましょう」と言いますが、それに対してお姫様が思うのは

私はただのカゴの中の小鳥

外へ出たらきっと泣きたくなるわ

答えは知ってる 言えないだけ

ということ。

きっと委員長もお城を出る答えは知っていて、言うべきなのか、いつ言うのか、言ってどうなるのか、そのような懊悩を抱えているんじゃないかと思います。勝手に思ってるだけですけど。「ひょっとしてお城の中で一生暮らすつもりなの?」でも我々だってそうですからね……。

委員長がカバーするにあたって冒頭部分の伴奏が8bitサウンドで新たに書き下ろされています。あのファミコンみたいなピコピコ音ですね。そこから流麗なハープのグリッサンドで生楽器にバトンタッチする編曲はまさにバーチャルからリアルへの転換に重なって、ああ全部わかってやっているんだ、とすら思います。「今回の休止はあくまで『やりたいことリスト』を消化するためで、配信で話すのとは切り離して……つっても今日体験レポ作って来ちゃったんですけどね」!

 

一連の流れを振り返って改めて思うのは、委員長ってバーチャルと同じくらいリアルのことを愛しているんだろうな、ということです。

「一緒に精一杯この世を生きましょう」って大袈裟な冗談のつもりだったらしいですが、紛れもなくバーチャル世界から現実を眼差してますよね。バーチャルとリアルのどちらかに軸足を置くのではなく、境界を跨ぐ形で立っている。この2週間ってつまりその重心の均衡を取り直す期間だったんじゃないでしょうか。本人にしかわからないことですが。

煙に巻かれること無く話された「月ノ美兎から離れて過ごした時間があった」というリアルは、そのリアルさ故に我々の心の最深部に共鳴し、またその「月ノ美兎じゃなかった時間」に垣間見える現実への愛着は、そのまま我々の暮らしにも投射されます。これは今回に限らず過去の体験レポとか、ご学友とのエピソードとか、ずっとそうですね。

そして、どうやら月ノ美兎さんが愛しているっぽいそんな現実のことを私も好きになってみようと思う、そう思えたならば、それってこの上ないほどバーチャルアイドルだと思います。二次元の人が三次元の話をするまどろっこしい行為の意味は少なからずそこにある。「大きなお子さんたちを沼から救います」って、本当にそう。

アイドルで、ヒーローで、そしてなによりふつうの人間だからこんなに救われてるんだと思います。4年目に入ったこれからも、どうか健やかであってほしいと願うばかりです。「いつか浮かんで宇宙まで」!

 

 

 

極私的にじさんじ備忘録2020

 

夕方のニュース番組を見ていると、画面の隅に「今日の天気」と並んで「今日の感染者数」が表示されていて、現実がここまでフィクションみたいになることってあるんだと思いました。

はちゃめちゃだった2020年も終わろうとしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は生活のほとんどが家の中で済んでしまうような状態になったので(正直これはちょっと嬉しい)、作業の傍らにVTuberの配信や動画を流しておくような機会が多かった一年でした。

そんなふうに暮らしを共にした動画たちですが、こういうインターネットの刹那的な娯楽って詳細をすぐに忘れちゃうんですよね。2012年に自分がニコニコ動画で何を観て何を思ったかとか全然思い出せないし、去年の良かった配信すらも忘れつつあると思う。

なのでここでは、備忘録的に今年の良かった配信や動画をまとめて、それに対する感想やレコメンド、付随している記憶などを書いていこうと思います。

おことわりとして、何か書けるほどしっかり観ていたのはにじさんじの人たちだけなので、必然的にその中から挙げることになるのと、個人的な琴線に触れたものを選びたいと思っているので、「同接何十万人!」とか「VTuber史的に……」みたいなのは一旦措いておこうと思います。

 

  

まずは個人配信から。順番は適当です。

 

メリッサ・キンレンカのスープつくる配信

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VTuberの配信からガスコンロを点ける「カチチチ…」という音が聞こえるたび不思議な気持ちになりますね。『エバ』の歌動画を初めて観たとき「これはただごとじゃないぞ」と思ったのを今もよく覚えていますが、その衝撃とは裏腹な、静かな暮らしの様子も同じチャンネルに上がっているのが良い。サムネイルも綺麗で、このイラストとか、普段のメリーの様子を知っているからこそ、形成されるイメージがお料理ツイキャスとかニコ生とは違う独特なものになっている。VTuberの料理配信でしか刺激されない心の部分があるということです。イヤホンで聞くと落ち着くので、眠れない夜などにおすすめです。

あと関係無いんですけど、葛葉の誕生日凸待ちに訪れたメリーのテンションが「イケメンの3年と話すときの1年女子」みたいでめちゃくちゃ良いのでそれもおすすめです。

【 雑 】ヨウアーキン【 #Zatsu 】 - YouTube

 

緑仙のパンケーキを食べに行った話

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緑仙の雑談はどれも良いんですが、中でもこの回は特に好きです。緑仙、ドーラ、社、チャイカでパンケーキ屋に行ったときのエピソードを話していて、話が上手くて実在感が強いのでわくわくする。終わりに「こういう皆からしたら幻みたいな話が、3Dで伝わるようになってきて良かった」と言っているのも印象的で、確かに去年と今年ではライバーたちに対する解像度がだいぶ違うな、と思ったりします。

この配信ではそうでもないですが、緑仙の雑談って結構具体的な地名とかを出しながら話を進めるイメージがあって、それが独特の空気を醸している気がします。例えば過去には「高円寺の古着屋」とか「新宿のりんご飴屋」の話をしていて、両方私も行ったことがある場所だったのでどきっとしましたね。そういう、どこかに居そうだし、どこにも居ない、みたいな、ちょっと儚げな印象が緑仙にはあります。

 

卯月コウのサラダ食う配信

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コウの雑談配信って「笑わせたいモード」「笑いたいモード」「真面目に話したいモード」みたいな、場面ごとにテンション感の違いがあると思うんですが、このサラダ食う配信はしっかりめに「笑わせたいモード」な気がします。1時間半変なこと言い続けているからずっと笑っていた。そういうのが欲しいときにおすすめです。

「笑いたいモード」っぽいので良かったのは、リスナーの終わってる浪人・留年エピソードをコウが楽しそうに読み続ける『人生FALLGUYS』で、

【人生FALLGUYS】なにって?合格を”先送り”にしただけだが?│浪人生【にじさんじ/卯月コウ】 - YouTube

「真面目に話したいモード」っぽいので好きなのは動画版『UZOON』のシリーズです。

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特にこの#2は、聞いてた時期とか、サムネとかがあいまって夏っぽいイメージが強い。夏とか青春とかバーチャルとか、すぐ消えてしまう眩しいものに惹かれる傾向ありますね。関係無い話です。

UZOONはリスナーからの質問や相談にコウが淡々と答えていくサウンドオンリーの動画で、コウをコウたらしめている真面目な部分とか、入り組んでいる部分を垣間見ることができます。

「服装とかって気遣ってる?」という質問が来たときに、自分は「自意識のあるオタク」だから「クラスでごちうさの話とかできない」し、「古着屋とか、HUFとか結構選んでる」と答えていて、その部分がすごく好きです。「裕福な家のオタク中学生」にこんな込み入った設定を預けられるシナリオライターはおそらくほぼ居ないし、でもそれが確かに成立していることが、何よりの魅力だと思います。

 

椎名唯華のまんが一本道〆

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一流漫画家を目指すシミュレーションゲームにハマりすぎて、APEXの予定をキャンセルしてまで遊ぶ椎名さんの様子です。7時間ゆったりとプレイしているので、だらだらと観るのに適している。椎名さんって根っこの部分に人を笑わせることが染みついているような印象があるので、こういう作業っぽい淡々としたゲームでもずっと面白いですね。あとやっぱり、楽しんでいる人を見るのは楽しいというのはある。テレビ的な「楽しませるための頑張り」とは別ベクトルの良さがありますよね。しっかり観ても良いし、声と画面がかわいいので作業用とか入眠用にもおすすめです。

 

コラム:バーチャルの窓

小休止です。最初にも書いたんですけど、今年は作業の傍らにVTuberの配信を流しておくことが多くて、ときには無音で映像だけ流していることもあり、それに何の意味があるんだという感じですが、不思議とそれだけでもなんとなく落ち着くんですよね。「机に好きな写真を飾る」みたいな心理かな、と思ったんですけど、もっとしっくり来たのは「教室から窓の外を眺める」ようなイメージです。

教室での居心地が悪かった中学生のとき、その狭いコミュニティとは別軸で動いている窓の外の大人たちを眺めることで、自分の視野を広げて、安心していた記憶があります。それと似たように、今は机の傍らでゲームをしているVTuberたちを眺めて、自分達とは文字通り「別次元」で動いている世界があるということに、ゆとりを感じているんだと思います。

リモートの時代はまだまだ終わらなさそうなので、「喋り声は集中が削がれるからちょっと……」とか「マイク繋いじゃってるから……」いう方は、一回試してみてはいかがでしょうか。効率が落ちるおそれは大いにありますが。

 

シスター・クレアのEuro Truck Simulator 2

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夏のある夜中、漠然とした憂鬱が押し寄せてきてうなだれていたものの、クレア様がトラックを運転する様子を眺めながらご飯食べたら元気になったという思い出がある。そもそもドライブの助手席に付き合うことが好きというのもありますが。この回は夜道のステージが多いのも、セラピー効果が増していて良いです。整いたいときにおすすめ。

クレア様って、言ってることが正しいとか間違ってるとか、そういう価値基準を超えたところで「クレア様が頑張ってるからおれも頑張ろう」と思える魅力があると思います。これは「クレア様が言ってるからそうなんだろう」よりも尊いと思う。そういう、存在そのものに癒されるとか、元気づけられるという意味では、かなり正統派にアイドルな気がします。

【オリジナルMV】ファンサ/mona(CV:夏川椎菜) - シスター・クレアcover - YouTube

クレア様のアイドル性と言えば、『ファンサ』の歌動画も良かったです。たくさんのVTuberが歌っている曲ですが、「約束!」と「L・O・V・E」の部分に個性が出て良いですよね。この動画は電車で観て、結構しっかりめに涙腺が緩んだから焦った覚えがある。

 

愛園愛美のゼノギアス

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愛園さんって、ママが伊東ライフ先生であることや、コラボ時なんかに要求される振る舞いから、いわゆるセンシティブなネタの人、というイメージが強かったんですが(勿論それも大事な要素ですが)、夜中にたまたま開いたこのゼノギアス配信でだいぶイメージが変わりました。なんというか、すごく真っ当な感性のもとで物語を一緒に追体験してくれるので、ずっと落ち着いて観れます。発言の突拍子もなさにウケる実況というよりは、共感していくタイプの実況ということですね。なのでストーリー物のゲームとよく合っていて、遡って観たUNTIL DAWNの実況もすごく良かったです。友達のゲームプレイをうしろから観るのが好きだったことを思い出しました。

 

安土桃のnote

note.com

配信じゃないんですけど、この安土桃のnoteも本当に好きなので載せます。ライバー活動における葛藤と決意がやわらかい文体の中に痛いほど表れている。この後に更新した記事の、「情報量が少なくてきっと正確なものとは程遠いものが現在私とされているからたくさんの時間を使ってもいいのですり合わせをやっていこうと思った」という言葉からも、「桃は天才」というイメージと相対した彼女の心情が窺えます。このような決意表明に触れてから秋以降の活動をみると本当に尊敬してしまう。

こういう他人のマジな苦労をコンテンツ的に享受するのはどうなんだろうと思ったりもしますが、VTuberの場合は大きなメディアと異なり、このような葛藤も本人の意思のもとで公になっている場合が多く、それを考えると、比較的安心して共感したり、勇気を貰ったりできると思います。もちろん繊細な部分なので、都度注意深く触れる必要はあると思いますが。

 

ここからコラボです。

 

みとリゼのGO HOME

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このGO HOMEというゲームを作ったのは市松寿ゞ謡さんというVTuberの方なんですが、あまりに物語とか演出の出来が良くて、この配信中にチャンネル登録しに行って、その後しばらく過去の動画とか見漁っていました。そのくらい良いゲームに、この二人が挑んだらそりゃ面白いよなという感じです。ゲームを少しずつ攻略していく、実況の原初的な楽しさに満ちている。トライアンドエラーで同じ画面が続く箇所も、さすがにこの二人が喋っているのでずっと面白いです。時間があるときにじっくり観るのをおすすめします。

あとは憧れの委員長と初のオフコラボをしてるリゼ様、という構図の面でも良いですね。二人のやりとりが網羅されてる良い切り抜きがあるので、併せて観るとなお良しです。

60分でわかるリゼ皇女と美兎委員長 - YouTube

 

天宮鷹宮叶舞元の原神

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なりゆきで集まった4人が夜な夜な原神をプレイした日です。ゆるく楽しげな雰囲気がずっと心地良い。スポーツ的なFPS実況とかと比べて、MMOの配信はゲームと喋りの割合がちょうど良いんですよね。思えば「レベリング雑談」の頃からずっとそうです。あと、最近はスタジオでのオフコラボも多いですけど、やっぱり各々が家からDiscord繋いでゲームしてる様子にも独特の良さがあると思います。オンとオフの隙間というか、そういう空気感が落ち着きますね。ぼんやり観るのにおすすめの配信です。

 

RRRの狂気山脈TRPG

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RRRの良さって、それぞれ突拍子もないこと言うのにも関わらず、お互いの世界観(お嬢様、貧乏ピエロ、鬼の女王)はしっかり尊重し合ってるところにあると思います。なので、別のキャラクターを憑依させてプレイするTRPGとの相性は抜群というわけです。「前人未到の”狂気山脈”に挑む登山家たち」という不穏なシナリオに挑む3人の、ギャグもシリアスも楽しめるおいしい配信なので、良い物語に触れたい人や、RRRという集団に興味がある人におすすめです。あと進行役を務めるVTuber、高生紳士さんの雰囲気も良くて、ずっとこころよい気持ちで観れました。ちなみに私はTRPG全然知らないんですけど、順を追って観ればしっかりシステムとか理解できたので、そういう面でも安心です。長いアーカイブですが、それだけの時間を使う価値はあると思います。

  

ここからは番外編的に、良かった切り抜き動画をちょっとだけ挙げたいと思います。

切り抜きって、推しの魅力を端的に伝える最良の手段であると同時に、意図されてないイメージや、偏向した情報を広げる恐れもある、暴力性も併せ持った行為だと思っています。そのような二面性の中で、オタクがするべきことは「まだ世に知られていない推しの特質を伝える」ことなんだと思います。

 

リゼ様と学ぶ!つよつよ法律講座

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多分この切り抜きが出るまで、リゼ様が法律に詳しいことはそこまで周知されていなかったと思いますし、もしこの切り抜きが無かったら、本人が「リゼ様とわかる法律講座」的な枠でも取らない限り、その魅力は熱心なファンの間でのみ共有されるものだったんじゃないでしょうか。断片的に見え隠れしてしていた要素をひとつの線で繋いでまとめた、本当に良い切り抜きだと思います。

 

17秒間に話題が4回転する山神カルタ

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一方こちらの切り抜きは着眼点とタイトルが秀逸で良いですね。山神って和服だし、なんとなくクラシカルな印象が拭えずにいたんですけど、この切り抜きを見てから山神の楽しみ方がわかった気がしました。以降よく配信を覗いています。

 

ここからは、なんとなく推しと思っている鈴原るる、ジョー・力一、月ノ美兎にまつわるさまざまを書いていこうと思います。

推し方って十人十色で、熱心な人は毎回リアタイして、スパチャして、グッズもボイスも全部買って……ってしてると思うんですが、私はどちらかと言えば一瞬の感動をずっと反芻するようなタイプなので、この3人の配信も全て追えているわけじゃないんですよね。不誠実と言われてしまえばそれまでなんですが、あのときの感動は本物なので……という感じで割とのんびり追っかけています。

 

鈴原るるのさまざま

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鈴原と言えばゲーム実況というイメージ、それは本当にそうなんですが、個人的には5時間半同じトーンでマシュマロを捌き続けるのもかなりヤバいと思っているのでこの回をピックアップします。ともすると怪物みたいなイジりをされがちな鈴原のパーソナルな部分が見え隠れしているので、鈴原のことをよく知らない人にこそ観てほしいかもしれない。

鈴原の配信の特異な点はその静かさで、声のトーンが始終落ち着いているのもそうなんですけど、言葉遣いとか話す内容の手ざわりがよくて、配信をみていると心の荒みがフラットになるような感覚がします。わっしょいわっしょいな雰囲気のVTuber業界においては稀有な領域だと思う。なので入眠とか作業のお供によく合うんですが、意外なほど小ボケも多いので普通に笑ってしまうこともある。

あとは配信の随所とか、ライブのときにみえるプロ意識みたいなものに尊敬できるのも良いですね。推している3人に同様の魅力として、「おもしろい」とか「かわいい」の上に「かっこいい」という尊敬が乗ると、その信頼が確固たるものになる気がします。

今年は3Dお披露目や冠番組など嬉しいことも多かった反面、一ヶ月配信を休止したり、体調面での不安もあったりしましたが、そうかと思えば7時間桃鉄やったりもしてるのでなんなんだという感じです。どうかくれぐれも健やかに……。

 

ジョー・力一のさまざま

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力一さんはどの配信も欠かさず面白いので挙げるものに悩むんですが、中でも会話の上手さが際立ってわかる凸待ち配信は特に好きかもしれません。かなり意外な人たちが凸に訪れる中で、ずっと笑える回しをし続けているのは本当に達者だな〜と最早しみじみしてしまう。あと委員長との無双みたいな絡みがみれるのも良いです。

個人的に印象深いのは、3Dお披露目配信の最後に歌った宮本浩次の『ハレルヤ』は平沢進『白虎野の娘』になるかもしれなかったという話です。多分普通にオケとか権利の都合もあったとは思うんですが、どうしてもこの選択を、にじさんじ内で独自の領域を築いていた男が徐々にひらけていく過程と重ねてしまい、何か勝手にグッときたりしています。タイムラインとか見てても思いますけど、力一さんはこういう二次創作的な想像がとりわけ膨らみやすい人な気がします。一定のシークレット、つまり想像の余白を残すことは魅力に繋がりますね。VTuber全体を通しての魅力とも言えるかもしれません。

3Dの体を得て以降表現の幅が広がって、ああこの人は喋りが出来るから喋ってたんじゃなくて、喋りしかまだ表せないから喋ってたんだなと思いました。それくらい天井が見えないエンターテインメント性を持っているということです。今年はRain Drops結成、深夜32時の開始、Switch購入、3Dお披露目と、活動に新たな要素が色々加わって、全ての方面で本当に飛躍していた感がありますね。来年も楽しみです……。

  

月ノ美兎のさまざま

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夏の終わりに恒例のホラー企画『帰れない百物語』ですが、今年ももれなく良かったです。毎年委員長はこの企画で尋常じゃない作家性を発揮していて、9時間飽きさせないトークの上手さとか、たくさんのVTuberを招ける人望の厚さとかも勿論なんですけど、その裏でリアルタイムに物語を併走させて、最後に全てを回収する手つきは鮮やかとしか言いようがありません。全編観たら一日潰れる長さですが、一日潰してでも順を追って観てほしい内容です。月ノ美兎のクリエイティブな側面を十全に味わえます。

ちなみにこの企画には雨森小夜が毎年動画を寄せていて、その内容が本当に素晴らしいのでそういう面でもおすすめです。

 

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今年の委員長の配信の中でもとりわけ異色だったのがこのウィスパー歌枠です。普段は歌枠でも欠かさず小ネタを仕込む委員長ですが、この回はギャグ一切無しでただ良い曲を歌い続けており、しかもその選曲が、たま『夏の前日』や小林麻由美『やられちゃった女の子』など、知名度や流行は度外視して好きなものを選ぶといった具合だから最高です。

あと本当に歌上手くなってますよね……こういう「後方腕組み面」みたいなのって嘲笑されがちですけど、そういう感動はVTuberを追う楽しみの重要なひとつだと思います。

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そのような委員長の魅力も、全て基礎となる喋りの面白さの上に成り立っている感じありますよね。雑談配信はどれも面白いので選ぶのが難しいんですが、とりわけ印象的だったのはこの作業配信です。段取りとか仕込みをきっちりする委員長が7時間も作業配信をするのがそもそも珍しいですし、その全体的にラフな雰囲気が本当に友達と夜な夜な作業通話を繋いでいるような距離感で良いです。

誰かを好きになったとき、その人が普段何を思ってどういう暮らしをしているのか知りたくなってしまうのは人間の心理というものですが、そのギリギリの所までみせてくれるのがストリーマーの魅力ですね。ことVTuberに関しては、決定的なシークレットを抱えながらも、親友にすらみせないような生活や思考を配信に乗せたりする、そのちぐはぐさが多くの人を惹きつける一端だと思います。

大型案件とか地上波さながらの企画も多くなりましたが、そのような「オン」も、このような「オフ」も同量に楽しめるのは良いですよね。

 

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そしてなにより、今年の委員長を語る上で外せないのは、ササキトモコ手がける『それゆけ!学級委員長』と、TAKU INOUE手がける『アンチグラビティ・ガール』のリリースだと思います。この2曲を並置してみると、その性質の違いが見えてきておもしろいです。

『それゆけ!』の歌詞は委員長のパブリックイメージの集成といった具合で、委員長キャラ、配信の小ネタ、それからVTuberという存在そのものの面白味について歌われています。まさにテーマソングという感じですね。ササキトモコのブログにはオファーを受けてから曲が出来るまでの所感だったり、ササキトモコからみた委員長の印象が書かれていて、凄く良い内容なので併せておすすめです。大ファンだった人からこんなブログを書かれた委員長の心中を思うとグッと来る。

対して『アングラ』の歌詞は委員長のインナーの部分、ポリシーとか精神性にのっとった上で書かれていて、かなり芯に迫った内容だと思います。委員長がこの曲を「目を瞑りながらレコーディングした」というエピソードもかなり好きです。

それから、委員長がシングル『それゆけ!学級委員長』のカップリング曲に、セラニポージ『ありふれた毎日の歌』のカバーを選んだこともかなり印象的です。「お城から出ずに暮らし続けるお姫様」の歌を、家の中から世界と対話する仕事の委員長が歌うのは色々考えてしまいますね。8bitサウンドからアコースティックに転換する新規の編曲も、バーチャルとリアルのやわらかな摩擦みたいなものがよく表れていて、クリティカルなアレンジだと思います。

 

一期生クリスマスパーティ

最後に書きたいのが、元一期生でおこなわれた楽屋裏ツイキャス〜クリスマスパーティの感想です。

twitcasting.tv

クリスマスパーティの集合時間である17時に誰が間に合うのか、早めに着いた渋谷ハジメが検証する形で始めたツイキャス配信で、ハジキ、委員長、しずりんの、この上なくオフっぽいやりとりがまさに楽屋裏という感じで良いです。いわゆる「質感」というやつですね。言ってしまえば、17時までにこの3人しか集まらなかったんですけど、その時に委員長が言った「バレてしまったな、社会不適合者だということが……」という言葉が好きです。

今でこそ規模も大きくなって、社会そのものみたいな感のあるにじさんじですが、その根幹にある「駄目さへの共感」みたいなものは、未だに色濃い気がします。この「駄目さ」もあくまで社会的な駄目さであって、決して人間的に駄目なわけじゃないということに、自己投影して救われたりします。

 

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それからまちまちに集まって、無事8人全員でおこなわれたクリスマスパーティの内容も良かったです。なんかこの8人って日常系アニメを地で行くようなやりとりしますよね。どこ見ても賑やかで面白いんですけど、特に印象的なのは、8人がそれぞれ一本のハンドベルを持って、クリスマスソングを合奏した箇所です。

誰かが「お遊戯会みたいだね」と言っていましたが、「お遊戯会」とか「馴れ合い」みたいな、大人になるにつれ許されなくなってしまう楽しいことを、楽しいままに出来ることは、ビジュアルも年齢も制限されないVTuberならではなんじゃないでしょうか。社会とか、時間とか、抗えない様々に対する精神的なシェルターみたいな役割は、今もなお持ち続けていると思います。

 

おわりに

以上、長くなりましたが2020年のまとめです。これだけのことを考えてしまうほど熱中して、時間を忘れてしまうような対象を見つけられたのは幸福なことだと思います。

にじさんじの人たちを追っていると時折、全員が心の奥底で、この状態がいつまでも続くものではないという共通認識を持っているんじゃないかと感じることがあります。ともすれば向こう水にも思えるYouTuberみたいな界隈において、そのような恐れとか寂しさみたいなものが感じ取れるのは結構珍しいような気がします。でもきっと、そのような不安とか切なさの上にのみ宿る魅力というものがあって、それがにじさんじを、VTuberを無二のコンテンツにしているんじゃないでしょうか。夏とか青春とかバーチャルとか、すぐに消えてしまう眩しいものに惹かれるというのはそういう意味です。

最後に、紹介した動画をまとめた再生リストを載せますので、是非ご活用ください。来年もこういうブログが書けたら良いな……。

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